
このピラミッド、ブロックを積み重ねているようにみえませんか?でも実はそうじゃないんです。なんと「ひとつのゴムの塊」をカットして作ったものなんです。(シリコーンゴムで作製)
このピラミッドを作った職人に迫りつつ、この繊細で美しい作品について探ってみたいと思います。
ふたつの顔
扶桑ゴム産業には、30人以上の職人が働いていますが、その中でもひときわ力持ちなのがこの作品を作成したY・Cさん。ずっしり重たいゴム素材もヒョイと運びます。社内一屈強な職人さんですが、一歩職場を離れるとバラを育てることに喜びを感じる繊細な一面も見せてくれます。
屈強さと繊細さ、ふたつの顔を持つYさんは勤続34年の大ベテラン。入社当時は、「手切り」という加工を担当しました。この加工法は、ゴムシートをひたすら手持ちのカッターで真っすぐにカットするというもの。例えば、10メートルあるゴムシートを25cm幅で狂いなくひたすら真っすぐに手作業でカットします。時代の流れとともに行われなくなったこの加工法ですが、人間離れしているこの技術は今のYさんを象徴しているように思います。
人間離れした技術

大きいほうのピラミッドの一辺は約1cm、小さいほうのピラミッドの一辺は脅威の約2mm!!少しでもカットしすぎるとそこから千切れてしまい、逆にカットが甘すぎるときれいな角が作れません。狙ったところドンピシャにカットする必要があります。
Yさんはこの超繊細な加工を、マシンは一切使わず自分の手と目の感覚を頼りにやってのけてしまうのです!

この加工、ある程度硬さのある素材なら何とかできそうですが、ゴム素材には弾力があるため、狙い通りにカットするには弾力を加味した上での加工が必要です。また、素材それぞれの特徴を把握した上での微調整も重要。この素材の違う大小のピラミッドたちは、まさに「人間離れした職人技が具現化したピラミッド」です。
ゴム素材でピラミッドを作ろうと思ったのはどうして?
「危機感です。」という、美しい作品にはちょっと似合わない意外な答えが返ってきました。「今の時代、他社にできるものを作ってても意味がないんよ。他社に出来んものを作らんといけん!」と。
この強い思いから、ゴム素材で誰も挑戦していない加工ができないか常に模索しているそうです。その一端として、「ユニークな形」と入力して画像検索することもあるとか。ピラミッドを作るきっかけも画像検索だったそうです。斬新なアイデアの根底には、「今よりもっと良いものを!」という、現状に満足したくない根っからの職人気質があるのかもしれません。
培ってきた自分の腕を信じる、でもその技術におごらない
小手先の技術で妥協しない、常に新たな可能性を模索する
そんなアイデアマンの背中は今日もデカい

※ゴム通では、素材の簡易な加工をメインに手掛けております。複雑な加工の案件は別の部署が担当しております。
No responses yet